2020千葉ロッテマリーンズ躍進の理由をデータで読み解いてみました。

2020千葉ロッテマリーンズ躍進の理由をデータで読み解いてみました。

こんにちは、八戸東和薬品の奥です。

いよいよ春になり、青森県は梅雨の時期ですが。

春になるとそう、プロ野球が開幕します!

野球には色んな楽しみ方があると思います。

好きな球団を応援する、好きな選手を応援する、次世代のスターを探す……などなど

 

一応私は特定の球団を応援すると言う事はあまりしておらず

推しの選手を成績データで追っかけるのが好きだったりします。

最近はオリックスに推しの選手が多いので必然的にオリックスを応援する

ケースになる事が多いのですが。

(2,3年後のオリックスは確実に強くなるので期待していてください笑 )

さて、今回データ分析の観点から取り上げるのは

「2020年のパリーグ二位、千葉ロッテマリーンズの壮大な戦略」です。

もちろんこれは私の勝手な分析で根拠も無ければ、球団に確認したわけでもありません

が、データを見ても、実際他球団の方が戦力的に恵まれている側面もありつつ

終盤追い上げて二位になったのにはそれなりに理由があると思っています。

 

 

千葉ロッテマリーンズが2位になれた理由として3つの理由があると思っています。

1、コロナウイルスによる開幕延期、超過密日程

2、相手チームに多く投げさせて、相対的に投手戦優位に

3、一方自チームは序盤から徹底した投手管理を行う

上記の3つが綺麗に噛み合う事で、後半戦の追い上げに繋がったと思っています。

千葉ロッテマリーンズの課題とは?

まず事実として、2020年千葉ロッテマリーンズは打撃力に非常に課題がありました。

分かりやすいところで行くと。

打率    リーグ最下位

長打率 リーグ最下位

安打数 リーグ最下位

と、非常に分かりやすく打撃に難のあるチームだったと言えます。

 

 

では投手成績が非常に良かったのか?と言うと

失点数、防御率は2位であるものの、これは他のAクラス争いをしていた

楽天、日ハムと大きな差はありません。

 

となると、得点力に優れているわけでは無く、
投手も水準クラスとなるとどこで差が付くのでしょうか??

とある試合で気になった見逃し⇒凡退

これに気が付いたのはシーズン中盤のある試合がきっかけで

千葉ロッテマリーンズと西武ライオンズ戦を見ていた時に

これからの千葉ロッテマリーンズの主軸を担うであろう、

安田尚憲選手が明らかに甘いストライクボールを見逃し、

ツーストライクまで追い込まれあっさり凡退したシーンがありました。

 

確かに西武ライオンズには制球に難のある投手が多く、ある程度までボールを見る事で

多く球数を投げさせる、ボール先行でより有利な状況にと言うのは理解できます。

しかし有望若手でしかも中軸を打たせている打者であれば育成も考え

ある程度フリーに打たせた方が将来の事も考えると得策なはずです、がそれをさせない。

ここに2020年シーズン、千葉ロッテマリーンズの戦略が見えてきました。

損して得取れマリーンズ!

これで見えてくるのは千葉ロッテマリーンズの待球作戦

凡退のリスクを取ってまで、多く投げさせ四死球を稼ぐと言う戦術です。

実際に千葉ロッテマリーンズの被四球数は490個で断トツのトップ。

2位の楽天と20個ほど違いますが、これは楽天は強打のチームで

意図的に勝負を避けられていたケースも多くあり、

それが少ない千葉ロッテマリーンズが一番多い、と言うのは異常です。

 

個人成績を見ても、元々千葉ロッテマリーンズは荻野選手、中村選手などは

元々リーグワーストクラスで四球を選ぶ率が低く、チームとして四死球を選ぶ

と言うチームカラーでは無いはずですが2020シーズンに限っては

荻野選手がストライクゾーン見逃し率40%、中村選手に至っては50%になっており

これは他チームのスタメン選手がおおよそ30%以下で、

初球ストライクを意図的に見逃がしている、日ハム近藤、西川両選手、

オリックスの吉田選手クラスであり異常なほどのプレースタイルの変化です。

 

これはもうチーム内で何かしら徹底して行っていた可能性が非常に高いです。

 

一球でも多く対戦チームには投げさせて、自チームは徹底した球数管理、休暇管理を行い

長期で相手のパフォーマンスを下げて、自チームは安定したパフォーマンスを出すと言う

考えの元起用が行われていたはずです。

過密日程から生み出されたマリーンズの勝機

去年は開幕が3ヶ月遅れたことで超過密日程となり、休暇日も少ない中で6連戦が組まれるなど

選手にとって非常にハードな日程になっていました。

こうなると通常のシーズンより休暇日が少ない昨年では、

毎日のように試合の準備、出場をする

中継ぎ、抑え投手にかかる負担は非常に大きいです。

 

その中で、目先のヒット、得点を捨てて相手投手に多くの球数を投げさせる

これは相手チームに毒のようにじわじわとダメージを与えているはずで

先発投手の球数が増える⇒中継ぎ、抑え投手の負担が増える⇒後半になればなるほどパフォーマンス低下

先発投手はその日を投げれば休みがありますが、中継ぎ抑え投手はそうはいきません。

 

特に昨シーズンは序盤こそ調子が良かったものの後半リリーフ陣に苦しみ

1試合辺りの投手平均投入数最多になってしまった楽天
(抑えきれないから次の投手を使うループ)

平良、ギャレット、平井、増田こそ安心出来る物の、先発投手陣の信頼度の低さと

勝ちパターン以外の投手で苦しみ続けた西武ライオンズ

にとって投手の球数は頭の痛い問題だったはずです。

 

そしてこの2チームは千葉ロッテマリーンズと
熾烈なAクラス争いをしていたチームであり

効果が無かったとは言えないはずです。

プロ野球の戦略と経営戦略は似てる?

この過密日程と相手に多く球数を投げさせる事と並行して

千葉ロッテマリーンズには吉井コーチと言う投手起用の達人がいます。

非常にはっきりした投手起用を行っていて、言い方は悪いですが勝ち目の無い試合は

いくら点を取られようが、勝ちパターン投手の温存、1勝を逃す可能性があっても

序盤戦では先発、中継ぎ、リリーフそれぞれの休暇管理を徹底して行っており

一部のファンから「勝つ気あるんか」と言われていた記憶があります。

 

結果としては益田、小野、東條、ハーマン、唐川、澤村

各リリーフ投手が軒並み防御率2.5台と

非常に優秀な成績を残しており、ライバルである楽天、西武に比べて

「勝ち試合を逃しにくい」起用を通年で続けていた事が結果から見て取れます。

この3つの戦略をチームとして序盤から徹底して行っていた千葉ロッテマリーンズが

一見打率や得点数で劣っていても、捨てる試合は捨てて、

勝つべき所に資源を投入して勝つ事で

2位になった、と言うのがデータから考察出来るのが非常に個人的には面白いと感じます。

これは会社においても同じことが言えるはずだと思います。

社内の資源は限られているので、どこに投入するか、そしてどれをやめるのか?

こういった判断にデータは非常に役に立ちます。

八戸東和薬品ではこういったデータ活用の支援も行っておりますので。
(https://www.hachinohe-towa.com/consulting/)

ご興味がございましたらお問い合わせだけでも是非よろしくお願いします。

 

B!